【夏が暑い】ニワトリの卵が減る理由|餌箱に残るのは「粉」だけでした

今年の夏もとても暑くなりました。暑くなると鶏は餌を食べなくなり、卵を産む量も減っていきます。

朝あげた餌が夕方になっても残りますが、面白いことにトウモロコシだけはきれいに食べられています。

この記事では、夏に卵が減るしくみと、いつ戻るのかをお話しします。

この記事でわかること

  • 夏に卵が減る本当の原因(暑さそのものだけではありません)
  • 餌箱に「粉」が残る意味
  • 粉を残したままだと、体に何が起きるか
  • わが家の記録と、戻りはじめるまでの経過
  • 夏にきゅうりを食べたがる理由
  • 涼しい時間に食べてもらう工夫
  • いつ戻るのか

結論:夏に卵が減るのは、暑さで餌を食べる量が落ちるから

夏に卵が減るのは、暑さで餌を食べる量が落ちるからです。

卵は食べたものからつくられます。ただし、餌が減ったその日に止まるわけではありません。

鶏はしばらくのあいだ、自分の体を削って産みつづけます。それでも追いつかなくなったとき、はじめて卵が減ります。

  • 暑い → 餌を食べる量が落ちる → 体の貯えを取り崩す → 追いつかなくなって卵が減る

だから暑くなってきたとき、卵の数だけでなく餌の減り方をチェックしてあげてください。


餌箱に残るのは「粉」だけでした

わが家では、いつもカップ1杯約250gを朝と夕方の2回、合わせて500gほどあげています。

それが夏になってから、4割ほど残るようになりました。

ただ、残り方に特徴があります。トウモロコシはきれいに食べていて、残っているのは粉ばかりなんです。

これは「食欲がない」のとは少し違います。食べられるものだけを食べているんですね。

配合飼料は、粒と粉が混ざってできています。ざっくり言うと、こういう役割分担です。

主な中身役割
(トウモロコシなど)でんぷんなどエネルギーになる
(大豆粕・魚粉・カルシウム源など)タンパク質・ミネラル体をつくり、卵にも使われる

つまりエネルギーになるほうだけを食べて、あとを残していることになります。

配合飼料は、全部食べてはじめて設計どおりの栄養になります。一部だけ食べると、その設計が崩れます。

食べた量を計算すると、約500gの6割で1日約300g。4羽で割ると1羽あたり約75gです。(草や野菜くずは含めていません)

産卵中のニワトリに必要な量は、一般に1日110〜120gとされています。7割ほどしか食べていない計算になります。

これでは卵が減って当然でした。

じゃあ粉を抜いて、トウモロコシだけあげたら全部食べるんじゃない?

気持ちはわかるよ。でも食べてほしいのは、残してるほうなんだ。

トウモロコシばかりだとエネルギーの取りすぎで脂肪肝のようになってしまうこともあるんだよ


なぜ食べる量が落ちるのか|理由は2つあります

食べること自体が、体を温めてしまう

ニワトリには汗腺がなく、体温を下げる手段はほぼパンティングだけです。

そのうえ困ったことに、食べること自体が体を温めます。

食べたものがエネルギーに変わるとき、熱が出るからです。これを代謝熱といいます。

だからニワトリは、暑いと発熱量を抑えるために自分から食べる量を落とします。

食欲が落ちるのは、体温を上げすぎないための調節のひとつなんですね。

粉は、そもそも食べにくいんです

もうひとつは、粉そのものの食べにくさです。

粉が残るのは、単純に食べにくいからです。

人間でも、暑いときにパサパサしたものは喉を通りませんよね。水分があって口に入れやすいもののほうを、つい選びたくなります。同じことが起きています。

飼料の粒の大きさがばらついていると、ニワトリは食べやすいものだけを拾います。これは選り食いと呼ばれ、栄養の偏りにつながります。

とくに細かい粉は、そもそも食べる量そのものを減らしてしまいます。

暑くて食欲が落ちているところに、食べにくさが重なる。量も減り、中身も偏る。 この2つが同時に起きています。

卵が減るのは、その結果です。


卵が減る前に、体は削られています

ここからが、私がいちばん気にしているところです。

粒だけ食べていると、筋肉が削られます

トウモロコシばかり食べていると、エネルギーは足りているのに、タンパク質が足りない状態になります。

余ったエネルギーは脂肪として蓄えられます。足りないタンパク質は、自分の筋肉を分解してまかないます。

脂肪はつくのに、中身は痩せていく。外から見ているだけでは、なかなか気づけない変化です。

カルシウムは、暑さそのものでも足りなくなります

カルシウムが足りなくなる理由は、餌の偏りだけではありません。

暑くてパンティングしているとCO2が大量に排出されてしまい、呼吸性アルカローシスという状態になってしまいます。

この状態になると体内がアルカリに偏ることで血中カルシウム濃度が下がってしまい、卵の殻を作るカルシウムが足りなくなってしまいます。

その結果、夏は卵が小さくなったり殻が薄い卵が増えてしまいます。

カキ殻は別の皿に置くことや重曹を溶かして飲ませてあげることが対策になります。

暑熱対策についてはニワトリの暑さ対策の記事で詳しく書いています。


わが家の記録

4羽を庭で飼っています。赤玉をくれる子が2羽、白玉が2羽です。

まず気温から。うちの地域の今年の夏は、こんな推移でした。

最高気温の平均30℃以上の日35℃以上の日
6月24.6℃0日0日
7月31.4℃20日3日
8月(9日まで)33.4℃9日中8日3日

6月は30℃を1日も超えていません。この月は、4羽で毎日4個。休みなしでした。

変わったのは7月です。7月なかばから30℃超えが始まり、そこから20日連続で続きました。

そしてその3日後あたりから、赤玉が半分になりました。

赤玉(2羽ぶん)白玉(2羽ぶん)
6月2個2個
7月約1.5個2個
8月約1個2個

ここで注目してほしいのは、暑くなった日と卵が減った日が、ぴったり同じではないことです。

卵は数日かけてつくられます。だから暑さの影響は、数日遅れて卵に出ます。

これが「卵より餌を見たほうがいい」理由です。餌の減り方のほうが、先に教えてくれます。


品種で差が出ました

同じ小屋、同じ餌なのに、減り方が違いました。

おもしろいのは、この差が夏だけの話ではないことです。

冬から春の記録を見ると、こうなっていました。

いちばん少ない月いちばん多い月
赤玉1.32個(2月)1.93個(5月)0.61
白玉1.75個(2月)1.81個(1月・3月)0.06

白玉は1年を通してほぼ1.8個で動きません。赤玉は真冬に1.32まで落ち、春に1.93まで戻っています。

赤玉の変動幅は、白玉のおよそ10倍でした。

つまりうちの赤玉は、暑さに限らず環境の変化で産卵が動きやすいタイプのようです。夏に差が出たのも、その延長線上にありそうです。

なお「体が大きいほど暑さに弱い」という説明を見かけますが、品種を比べた試験データは見つけられませんでした。 ここは断定を避けておきます。

もしお家に何種類かいるなら、減り方を比べてみてください。 同じ環境でも差が出ることがあります。

うちの子だけ具合が悪いのかと思ってた。

ボリスブラウンはストレスで産まなくなることが多いらしいね。

逆にジュリアのような白い鶏は生み続ける能力が高いらしいよ。


余ったきゅうりは、カリウムの補給になります

家庭菜園のきゅうりが採れすぎて、毎日たくさんあげていました。朝と夕方、配合飼料と一緒にです。

夏野菜が採れすぎて困る。同じ状況の方、けっこう多いんじゃないでしょうか。

カリウムを補える点は、理にかなっています

暑さでパンティングが続くと、体は血液のバランスを戻そうとして、腎臓から重炭酸を捨てます。このときカリウムも一緒に失われます。

きゅうりはカリウムを含みます。夏バテの鶏がよく食べるのは、体が求めているのかもしれません。


涼しい時間に食べてもらう|夕方と夜が勝負

ここがいちばん大事なところです。

日中は、何をあげても食べません。食べれば体温が上がるからです。

だから狙うのは、気温が下がる夕方から夜です。

  • 夕方に小屋を冷やしてから餌をあげる …… 打ち水や送風で温度を下げると、食べる余裕が生まれます
  • 夜のうちに食べられるようにしておく …… 涼しい時間帯こそ、しっかり食べてもらうチャンスです
  • 水は冷たく保つ …… 水温が高いと飲む量が落ちます。飲水量が落ちると、食べる量も戻りません

「量を増やす」より「食べられる時間をつくる」ほうが、ずっと効きます。


戻ってきました|35℃を下回るようになってから

この記事を書いている時点で、卵が戻ってきました。

8月に入ってしばらくは、最高気温が35℃を超える日が続いていました。このあいだ、卵は4羽で1日3個。赤玉が1個しか出ない状態です。

それが35℃を下回るようになってから、4個そろう日が出てきました。今は2日続いています。

ただし、下回ってすぐではありませんでした。

最高気温卵(4羽ぶん)
35℃超えが続いていたころ35〜36℃3個
35℃を下回った日32℃台3個
その4日後32℃台4個に戻る
翌日29℃台4個

暑さが一段落してから、卵が戻るまでに4日ほどかかっています。

涼しくなっても、卵はすぐには戻りません。 卵は数日かけてつくられるからです。

先に戻ったのは餌の食いつきでした。餌が先、卵が後。 実際にそうなりました。

だから「涼しくなったのに戻らない」と焦らなくて大丈夫ですよ。数日待ってみてください。

涼しくなったから? 慣れたから?

正直に書くと、どちらなのかは分かっていません。

考えられるのは2つです。

中身根拠になりそうなこと
①涼しくなった気温が下がって、食べられるようになった実際に35℃超えがなくなっている
②暑さに慣れた体が暑さに順応してきた同じ32℃台でも、ばて方が最初のころより軽いように見える

正直なところ、その両方かもしれません。

ただ、飼っている側の実感として、②も無視できないと思っています。7月に入ったばかりのころは、32℃でも口を開けて苦しそうにしていました。今は同じ気温でも、ずいぶん楽そうに見えます。

とはいえ、これは私の見た目の印象です。数字で示せているのは①の気温だけなので、そこは分けて書いておきます。

結局暑さ対策に魔法の薬みたいなものはないのかな。

風通し良くして、日陰にしてあげて、きれいな冷たい水をあげる。

単純だけどこれを徹底することしかできないと思うな。


まとめ

  • 夏に卵が減るのは、暑さで餌を食べる量が落ちるから
  • 見るべきは卵の数より餌の減り方。とくに何が残っているか
  • わが家では粉が4割残り、トウモロコシだけ食べていた。残していたのは、体と卵に必要な栄養のほう
  • 食べない理由は2つ。食べると体が温まることと、粉が食べにくいこと
  • 粒だけ食べつづけると、脂肪がついて筋肉が削られる。卵の数より、こちらが心配
  • きゅうりはカリウムの補給になる
  • 狙うのは夕方と夜。 小屋を冷やして、涼しい時間に食べてもらう
  • 涼しくなっても戻るまでに数日かかる。 うちは35℃を下回ってから4日ほどでした

卵が減ると「何かしてあげなきゃ」と焦りますよね。私もそうでした。

でも減っているのは、ニワトリが自分の体を守っているからです。

今日からできることを1つ挙げるなら、夕方に小屋を冷やしてから餌をあげてみてください。 日中に置いても食べません。


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