「ニワトリを飼ってみたいけど、何から始めればいいのかわからない……」
そんな方に向けて、ニワトリ飼育を始める前にぜひ読んでほしい書籍を紹介します。
YouTubeやインターネット上には、ニワトリ飼育に関する情報が数多くあります。
一方で、情報量が多く、考え方も人それぞれなため、
どれを信じればいいのかわからない
と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
そんな情報社会だからこそ、手元に1冊、信頼できる本があることは大きな安心材料になります。
しかし、
「じゃあ、いったいどの本を読めばいいの?」
という方のために、獣医師であり、実際に鶏を飼っている立場から、
これまで読んできた多くの書籍の中から、本当におすすめできる本を紹介します。
最初に読んだ本が、その後の飼育の“基準”になります。
だからこそ、間違えてほしくありません。
この記事では、
- 初心者に本気でおすすめできる本【2冊】
- 直接はおすすめしないが、一読の価値がある本【1冊】
を、正直な視点で解説します。
ニワトリ飼育を始める前に「本」を読むべき理由(獣医師の視点)
ニワトリを飼う前に、まず知っておいてほしいのは
「ニワトリの普通」を人間目線で判断しないことです。
ニワトリの衣・食・住の「普通」を学ぶ
- どんな環境で快適に過ごすのか
- 何を食べ、どのくらい食べるのか
- どんな行動をとる生き物なのか
ニワトリの生態・身体構造を学ぶ
ニワトリは鳥類であり、
イヌやネコ、そして私たち人間(哺乳類)とは大きく異なる点がたくさんあります。
細かい知識の暗記よりも、
まずは全体像を理解することが重要だと感じています。
卵やお肉についても知っておく
解体や処理についても、動画だけでなく、
写真や図を見ながら確認できる本の方が理解しやすい場面が多いです。
動画は便利ですが、
- 飼育の流れを体系的に理解できる
- 「やっていいこと/やらない方がいいこと」が整理されている
という点では、書籍の強みは今も変わりません。
ただし、古い情報は時に混乱を招くこともあります。
だからこそ、まずは「信頼できる1冊」を選ぶことが、最大のトラブル予防になります。
ニワトリを飼い始める人に本気でおすすめしたい本【2冊】
ここでは、
「まずはこの2冊を読めばOK」
と自信をもって言える本を紹介します。
『ニワトリと暮らす』|これから飼いたい人はまずこの1冊
この本の特徴
- ニワトリの生態を写真やイラストで解説しており、非常に読みやすい
- 庭先養鶏を想定した、必要十分な情報量
- さまざまな環境での飼育事例が紹介されている
こんな人におすすめ
- これからニワトリを飼いたい人
- ニワトリについて基礎から知りたい人
- 飼育の全体像をまず把握したい人
獣医師の視点からのおすすめポイント
本書は「庭先養鶏」というライフスタイルを軸に、
ニワトリの生態・飼い方・食べ方までを丁寧に紹介しています。
これを読むことで、
ニワトリを飼って、どんな生活をしたいのか
を具体的にイメージできるようになります。
また、
賃貸住宅や住宅街など、さまざまな環境での飼育事例が紹介されている点も非常に参考になります。
最初の1冊として、非常に安全性が高い本です。
注意点
- 病気の詳細な解説は最小限
- 卵販売など、経営面の情報は少なめ
『農家が教えるニワトリの飼い方』|より実践的に学びたい人向け
(雑誌『現代農業』連載の書籍化)
この本の特徴
- 現場経験に基づいた具体的な飼育方法
- 飼育設備・日常管理の解説が実践的
- 病気やワクチンについても学べる
こんな人におすすめ
- 卵をとって、将来的に販売も考えている人
- 羽数を増やす可能性がある人
- 感染症対策についても知っておきたい人
獣医師の視点からのおすすめポイント
鳥インフルエンザ以外にも、ニワトリには注意すべき感染症があります。
本書では、そうした病気やワクチンについても触れられており、
- 家畜保健衛生所との関わり方
- ネズミ対策
- 寄生虫対策
など、より本格的に飼いたい人に役立つ内容が含まれています。
写真や図も多く、
ヒヨコの入手先や育て方まで具体的に書かれているため、
飼育トラブルを未然に防ぐ力が身につく一冊です。
注意点
- ニワトリの生態そのものの解説は少なめ
- 農業に馴染みがない人には、やや読みにくく感じる可能性あり
【番外編】思想として一読の価値がある本
『自然卵養鶏法』|やり方ではなく「考え方」の本
この本は正直に言うと、
これからニワトリを飼い始める初心者に、積極的におすすめする本ではありません。
その理由
- 獣医師の立場から見ると、必ずしも正確ではない記述がある
- 少し古く、入手しにくく読みにくい
- 初心者には内容が難しい
という側面があります。
それでも紹介する理由(獣医師の視点)
一方で本書は、庭先養鶏のバイブル的存在でもあります。
先に紹介した2冊も、
思想的にはこの本の延長線上にあると言えます。
現代の大規模・効率重視の農業が主流となる中で、
- 少数羽飼育
- 自給的な暮らし
- 動物との向き合い方
について、概念的・倫理的な視点を与えてくれる本です。
飼育の基本を理解したあとに読むことで、
ニワトリとの向き合い方を考え直すきっかけになる一冊だと思い、紹介しました。
結論|まずはこの2冊から始めてください
ニワトリ飼育を始めるなら、
- 『ニワトリと暮らす』
- 『農家が教えるニワトリの飼い方』
この2冊を読めば、
初心者がつまずきやすいポイントはほぼ回避できます。
『自然卵養鶏法』は、
余裕が出てきたら「考え方を広げる本」としてぜひ手に取ってみてください。
庭には2羽ニワトリがいる 